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川島先生のパントマイム劇どす。 [観劇の感想]

ダンスの振付をしてくださった川島とも子先生のパントマイム劇を観てきました。



演目は
ディケンズの『クリスマスキャロル』

12月9日(土)2時開演の回です。

場所は、横浜の「人形の家」の上にある「あかいくつ劇場」でした。

川島先生の役は主人公スクルージが出会う3人の精霊のひとり。過去の精霊です。強欲なスクルージに過去の貧しかった自分の姿を見せるのが、この精霊の役目です。川島先生はパントマイムでは分かりにくい精霊という役を見事に演じていました。ちなみにスクルージは川島先生のパントマイムの師匠やまさわたけみつ先生です。スクルージを囲んでの精霊たちのダンスも妖しく美しかったです。もちろん川島先生の振付です。

後半はガス灯に明かりを灯す少年の役でした。川島先生はどんな役もこなしてしまう不思議な人です。年齢も性別も超え、ある時は動植物を演じ、またある時は生き物でないものまで演じてしまいます。色んな世界をパントマイムとダンスで自由に行き来できるなんて本当にすごいです!

一緒に観に行った団員達も、中にはパントマイム劇を初めて観た人もいましたが、川島先生をはじめキャストの皆さんの表現力に驚いていました。
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「ノンセクト ラジカル~1970そして」  [観劇の感想]

3月26日(日)

劇団アルファー本公演 Vol.24  「ノンセクト ラジカル~1970そして」(作・演出 時風 静恵) 
を観てきました。

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STORY
 2016年12月25日。今日で閉店となる喫茶エスポワールにやってきた砂野世理子。かつての学生運動仲間で、今はエスポワールのオーナーの田所清と激しかったあの時代を懐かしみ、確かにかけがのない青春だったと昔の思い出を語り合う。そこへ世理子の娘が母の身体を心配して現れる。「母は病院を抜け出して来たのです。」余命わずかな世理子にはどうしてもこの場所で娘に伝えなければならないことがあった。
 1970年。喫茶店エスポワールの地下をアジトに、リーダー田所を中心に学生たちが集まっていた。彼らはどこの党派にも属さないいわゆるノンセクトだった。暴力を否定し、正論を持って平和と民主主義を主張してゆく。信念を持って活動していた彼らだったが、仲間を殺され時代の渦に翻弄され思もよらないかった方向へと流されてゆく。
 ベトナム戦争や安保闘争などを背景に、平和・反戦の意識から学生運動に参加していった若者たちのの青春群像。
                               公演プログラムより


この日は団員5名で行きました。

会場は下北沢の東演ホール。駅から徒歩で約20分のところです。ネット上に詳しい案内が載っていたおかげで迷わずにすみました。どなたかわかりませんが感謝です。

東演ホールは客席が60席の小さなホールでした。客席と舞台がとても近く、後ろから2列目の席でもすごい臨場感です。舞台は幅こそ狭いものの奥行きと高さが十分あって、それが最大限生かされていました。喫茶店エスポワールとその地下室が、背の高いパネルの移動だけで転換します。ブリッジの音楽も工夫されていて、美しい転換でした。暗転前の切り方にもセンスを感じましたし、転換後にガラリと空気が変わっていることにも驚かされました。こういう転換のこだわりって好きです。見習いたいです。地下室の長い階段も、舞台の高さを生かしていて効果的だと思いました。

内容も興味深いものでした。私は今年60歳になります。1970年はまだ13歳でした。静岡で暮らしていたので、安保も学生運動も遠くの出来事でした。ただ、前年に起こった東大紛争には叔父が関係していたことで、社会的な大きな事件というよりも、きわめて家庭的な事件としてとらえていました。機動隊の安田講堂への放水やヘルメットを被った学生が投石する姿を、母と2人で祈るように見守っていたことを覚えています。母親にとっては可愛い弟の身がさぞ気がかりだったことでしょう。

成長して少し歴史的背景が見えるようになっても、私が叔父の轍を踏むことはありませんでした。母親は神経質なほどそのことを恐れていました。しかし、何より高校もそして大学も祭の後のように静かで、すっかり熱が冷めてしまっていました。

この芝居を観て、改めて叔父のことを思いました。音楽と文学を好み、私が虫を捕まえると、可哀想だから逃がしてやれと言った叔父がなぜあんなに熱く荒々しく運動にのめり込んだのか。思えば一度もそのことについて話を聞いたことがありません。聞いてはいけないことと無意識のうちに思っていました。これはとても個人的な話のようですが、実は世代を超えて多くの人が疑問に思うことではないでしょうか。「なぜ学生たちはあんなにも熱く荒々しく運動にのめり込んだのか?」

若い役者さんたちの火の出るような議論や乱闘にも心を動かされました。特に狭い舞台でのアクションは苦労なさったと思います。迫真の演技は観客席にびんびん気持ちを伝えていました。また、ベテランの皆さんのリアルで心のこもった言葉も私の心を揺さぶりました。

帰りがけインド料理をいただきながら、芝居の感想で盛り上がりました。先に述べたような、転換の工夫や若い役者さんたちの迫力ある演技、ベテランの皆さんの味について語り合いました。そんな中、ある人が「今、この芝居をやることに意義がある」と言いました。確かに平和への純粋で熱い思いを、忘れかけていた世代に思い出させてくれる芝居であり、知らない世代に伝える芝居でもあります。

劇場の外で作者の時風さんに「劇列車さんでもどうですか?」と言われ「あんな若いエネルギーはとても出ません」と返事をししまったものの、こういう骨のある芝居を、ぜひ一度、座・劇列車でもやってみたいなあ。そこの若い人、座・劇列車で芝居してみませんか?

劇団アルファー様、素敵なお芝居ありがとうございました。

劇団アルファーの次回公演は
 「葬送狂奏曲」(原案/中道進、脚色・演出/時風静恵)
 8月2日(水)~6日(日) 会場 TACCS1179(新宿区落合)
だそうです。楽しみですね。




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成田市民劇団 プロデュース公演「KOUKAI」感想 [観劇の感想]

 成田市民劇団プロデュース公演「KOUKAI」の感想を団員のM.S.さんに書いてもらいました。この公演には以前見学に来てくださった石田さんが照明で関わっています。

 「KOUKAI」を観て M.S.

 公津の杜駅近くの「もりんぴあこうづ」で「KOUKAI」という芝居を観ました。成田市民劇団プロデュース公演、市内の5つの劇団とその他フリーの人達をまじえての公演です。
 「蛻る」「アタシ=カミサマ 純情乙女最強Ver」「嘘をつくのは君が世か」「僕等が考える素晴らしい集団の法則」という5作のオムニバス風。
 近未来(今から60年後位)支配者による統制差別粛正が横行する恐怖政治の社会から物語は始まり、次にアイドルと催眠商法、女優とその恋人、マスコミなど、芸能界を舞台に現代社会の問題をつきつけていきます。近未来と現代の物語が折り重なり、見えかくれして進行していきます。
 まず、会場に入ると完全武装して銃をかまえた男達4人がいます。あまり気持ちのよいものではありません。しかし、この緊張感と嫌悪感が客を恐怖政治の世界に、いやおうなくひきずりこんでいったと思います。
 紙を使っての音響効果も新鮮でした。それは恐怖社会が崩壊する場面で、紙を破る・はがす・めくる等の音だけが静けさの中に響きわたります。その動作をする人たちも何人か見えて、最後は舞台中に紙くずがばらまかました。
 小学生(?)男子のキレのあるダンスも魅力的でした。芝居の展開のはやさもよかったです。
 一方、セリフが速すぎたり、滑舌の悪い人もいて、伝わりにくい点もありました。
 しかし、脚本家と演出家の才能が感じられた1時間ばかりの芝居の中に、これでもかというほど現代の社会の問題が詰め込まれていました。恐怖政治のぶきみさが追いかけてきます。
 その中に平和に対する想いを表現していたと感じました。
 
 若いパワー!!ドキューン!!やられた。  以上

 M.S.さん、感想ありがとうございました。M.S.さん意外にも劇団員数名が観に行きました。若々しいパワー(劇列車の中高年パワーとはまた違う)が感じられ、よい刺激となったようです。

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