SSブログ

第2回ワークショップのレポート [稽古内容]

西田先生の演劇ワークショップ第2回のレポートです。

○実習1 ストレッチ・発声

先生のリードでいつものストレッチと発声をしました。
発声では前回同様「ういろう売り」を読みました。先生がリードしてくださり、みんながそれについていきます。「五十音の歌」(あめんぼう赤いな…)だけでなく、これも基本練習の中に取り入れるようにというお話でした。実は劇団員のほとんどが「ういろう売り」を暗記していますけど、最近稽古でやっていませんでしたね。

○実習2 ひとりジャンケン

右手がグーチョキパーを繰り返し、左手がそれに負けるようにチョキパーグーと出す。次は左手が勝つように出す。そして、さらに左手がグーチョキパーで、右手がそれに合わせて勝ち負けする。
このようなデュアルタスク(ながら動作・2つのことを同時に行うこと)は認知症予防に効果があるといいます。日常にさりげなくやっているデュアルタスクを、役者が舞台上で再現しようと思うとなかなか難しいものです。そういう意味でもこういう練習をよくやります。もちろん高齢化が著しいうちの劇団員には有効な練習です。

○実習3 魚鳥木申すか申さぬか

ゲームです。
人の輪の中に鬼が入り「魚鳥木(ぎょちょうもく)申すか申さぬか」と唱えます。他のみんなが「申す申す」と応えます。次の瞬間に鬼が輪の中の誰かを指さして「魚(ぎょ)」と言います。指された人は「さんま」など魚の名前を返さなければなりません。「鳥(ちょう)」と言われたら鳥の名前、「木(もく)」と言われたら木の名前を返します。
反応する能力も年齢とともに衰えてきます。考えて動くのではなく反射的に行動する(話す)能力を鍛える練習になります。

○講義1 前回の復習

①本当の「本読み」とは演出家または脚本家がやるもの。感情の入れ具合などを役者が参考にできるので、ぜひやるべきである。
②「読み合わせ」(俗に「本読み」と言っている)はじっくりやる方がいい。後が楽になる。役者はここで役の分析をする。
③身振り、立ち居振る舞いは日常の中で習慣付ける。
④無対象行動(パントマイム)はイメージをふくらませて、実感を持ってやる。
目の前の(想像の)コップを手に持ってみる。
(想像上の)ドアの開閉は難しい。きまりはないが、最低の約束事はある。実感を持ってやり、かつ 観客にはっきり分かるように見せる。

(次回までの課題)自分の誕生月を身体表現で伝える。

うわあ!はじめての課題だあ。


○講義2 台詞を分析する

①まずは台詞を読んで言葉の意味を理解する。
②次に台詞に込められた心理作用(心の動き・意志・考え・気持ち)を読み取る。
③心理作用からどのような生理作用(身体作用)が起こるか考える。
④さらにイメージをふくらませて、年齢、性格、季節、生活環境、時代※などを把握する。

虚構の世界を現実世界として生きるのが役者の役割である。そのためには台詞について①~④の手順をくりかえし、自分の役に現実感をもたせる「材料」とすること。

フィーリングだけで芝居をする人が多い。そういう演技は稽古のくりかえしの中でマンネリ化しやすい。逆に台詞を分析し「材料」を少しずつ積み上げて役作りのプランを練っていく方法だと、役を稽古の中で進化させることができ飽きることがない。

またフィーリングだけの芝居では、演出家に「違う」と言われた時にどこが違ったのか考え直すことが難しい。しかし、「材料」を元にしていれば、どの「材料」が違っていたのかを検証しやすい。

※「年齢、性格、生活環境、時代」
性格は生活環境によって決まることが多い。つまり育った環境などで明るい暗いなどの大まかな性格が決まることがある。
また、私達がこの現代の生活環境について何となく把握できているように、その時代の人もまたその時代の生活環境についてよく知っている。したがって、他の時代の人を演じる場合にはその時代の社会についての知識が必要になる。

○講義3 役者の心得1

①正当化 観客にそこに生きている人物のように見えること。
②必然性 人物の行動が観客に納得できるものであること。
③集注性 観客の意識を芝居に集中させること。

まずは自分が与えられた役柄に惚れ込むことが大事。恋愛をすると好きな人の性格や好み、家族環境などを知りたいと思う。必死になって分析をし、どうすれば自分をもっと好きになってくれるか考える。役柄に惚れるというのも同じである。

○実習4 力点のトレーニング

台詞を生かすにはどうすればいいか?
台詞のどこに力点(言葉の強調部)をおくかによって台詞は変わってくる。

(テキストによる実習※1)

①はじめは機械的に傍線部のみを強調してみる。
②次に怒り、嘆き、喜びなど喜怒哀楽を入れてみる。
③次はその台詞がどういう状況※2で言われたものかを想像して言ってみる。

※1テキストの内容例

やめてくれって僕が言い出したことじゃない
やめてくれって、僕が言い出したことじゃない」
「やめてくれって、僕が言い出したことじゃない」
「やめてくれって、僕が言い出したこどじゃない

※2「状況」
いつ、どこで。自分は誰か。相手と自分との関係、直前にどんな台詞を言われたのか、直後にどんな台詞が続くのかなど。自分のおかれた状況をイメージする。

○講義4 役者の心得2

①日常生活の立ち居振る舞いにも気を配る。
②人間力を高める。イメージする力(想像力)など。
③創造性、意外性によって観客の心をひきつける。えっ!という部分を作る。
④時代性。その時代のニュアンスを表現する。
⑤話題性。ファンは役者と同年代の場合が多い。共通の話題とは何か。
⑥客観性。演じる自分とそれを観察する自分を作りだす。「離見の見」(世阿弥)
⑦行動の一貫性。

芝居にもトレーニングが必要。山登りの前にある程度の訓練が必要であるのと同じ。

以上、第2回ワークショップの概要を受講者の一人としてまとめてみました。参加者の皆さん、補足や謝りがありましたら御指摘ください。また内容に誤りや不十分な箇所がありましたら、すべて私の責任です。

今回も先生の経験と人柄にあふれた楽しいワークショップでした。初心者の方も楽しめる内容だと思います。せっかくの機会ですので、思い切って参加してみませんか。ご連絡お待ちしております。

第3回ワークショップ 
日 時 4月17日(日) 13時~16時(3時間)

場 所 未定

※ ワークショップは9月まで、月の第3日曜日に実施予定です(全8回)
全部の回に参加していただく必要はありません。とりあえず第3回だけ覗いてみたいというような参加も歓迎しております。参加費は無料です。事前に必ず事務所にお問い合わせください。会場の関係で参加者が多い場合にはお断りすることもございます。


劇団事務所
電 話 090-4542-5214(入村) 
メール zagekiresha@gmail.com


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0