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上演に向けて再始動! [オカリナの少年]

12月の定期公演は『オカリナの少年~クロスロード2』(高平九 作)を上演します。
そのための稽古が本格的に始動しました。

3月25日(金)はキャスト発表、26日(土)は配付された新しい台本をみんなで読みながら、作者高平から作品に込めた思いや背景について説明をしました。

劇団の地元四街道はかつて軍隊の町でした。下志津原には江戸時代から佐倉藩の火業場(砲術練習場)があり、明治政府はそれを拡張し近くに陸軍砲兵学校を作りました。文化センターの隣にある小さな山はルボン山と呼ばれ地元の人に愛されていますが、元々は大砲の射撃における射垜(しゃだ・目標)として築かれたものです。本当の名は大土手山。練習場の拡張を指導し学校設立を進言したフランス軍大尉ジョルジュ=ルボンにちなんで、地元ではルボン山という通称で呼ばれています。

総武本線が開通し四街道駅ができると駅方面に大砲を撃つのは危ないということで、それまでとは逆に山の方から大砲を撃つことになり学校も駅の近くに移転して来ました。

陸軍野戦砲兵学校の敷地は、現在のイトーヨーカ堂から市役所の辺りまでだったそうです。終戦間際になると15歳から17歳の少年も入学できるようになり短い訓練期間を経て戦場に送られました。

今回の作品の主人公は砲兵学校の少年兵2期生です。全国から7500人が志願して合格したのは160名。2期生はそんな優秀な少年たちでした。2期生のうち70名はたった11カ月の訓練で繰り上げ卒業し激戦地のフィリピンに送られます。しかし、輸送船が敵潜水艦に沈められ無事マニラに到着したのは29名でした。その29名もその後フィリピン、ビルマなどで戦い、帰還できたのはわずか8名だったそうです。

戦死なさった少年砲兵の皆さんのご冥福を祈ります。

今この時期に戦争を背景とした作品を上演することに迷いもありました。しかし多くの団員はだからこそやるべきだと励ましてくれました。とても頼もしい仲間です。

観客の皆様が今一度戦争というものを考えるきっかけになるように、これから全力で稽古に入ります。

まだ先ですが、よろしければ観に来てください。

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