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『袴垂れはどこだ』台本 [台本選定]

3月2日(金)の話し合いで、今年の本公演(12月2日)の演目が『袴垂れはどこだ』(福田善之)に決まりました。

作者の福田先生にはすでに代表から連絡をして、上演許可をいただけることを確認してあります。ただ、大作であるため、できれば2時間以内の作品として上演したいと検討をしていました。ところが、当たり前のことなのですが、すべての場面、すべてのセリフが物語の核心と深く結びついており、簡単には切れません。

全八場のちょうど真ん中に幕間狂言があり、当初はそこを切るしかないと考えていました。しかし、よく読んでみると途中休憩のようなその場面にこそ人間の本当の「しあわせ」についての観客への問いかけがあって、切るには惜しい気持ちになってきます。それに間狂言があればこそ、作品全体を能楽に見立てた視点が成立するのです。

あくまで私見ですが、このひとつの能楽作品として見るという視点は、とても面白く感じました。

世阿弥に夢幻能と呼ばれる作品群があります。小野小町や在原業平などが亡霊として現れ、旅の僧などに思いを語るという形式の作品です。もちろん『袴垂れ……』には
亡霊は登場しませんが、読めば読むほど、「袴垂れ」という伝説の盗賊自体が、不思議な存在感持って立ち現れてきます。

……ということで、切るところを決めかねていたところに救いの手が差し伸べられました。

昨年劇団俳小が、この作品を2時間強の時間で上演したことを代表が観て承知していました。そこで代表の方から、ダメ元で劇団俳小に連絡させていただいたところ、ご親切にも台本を送って下さるというお返事をいただきました。

台本の打ち直しはほぼ終えていますので、今後俳小の台本を参考にさせていただき、2時間以内にまとめたものを福田先生に読んでいただくという手順になるかと思います。どんな風に編集されているか
、台本の到着が楽しみです。
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