11月6日(金)の稽古です。 [稽古内容]
11月6日(金)の稽古です。
今日は男子高校生が見学に来てくれました。最近、見学の人や遊びに来てくれる人が続いて楽しいですね。劇団員もテンションが違います。
第9回ワークショップ
1 ニュートラルな身体をつくる(呼吸と発声の準備)
ニュートラルな身体とは?
・私たちが知らず知らず身につけてきたクセを取り除いた人間本来の自然な身体
・必要な部位以外の力が抜けてリラックスした身体
・どのようにも動くことができる自由な身体
・呼吸や発声を妨げない身体
レッスン1 首と肩の体操とストレッチ
①体 操
・首を左右3回ずつ回す(首の重さは体重の約10㌫。力を入れ ず首の重みで回す)
・指先を肩に当てて肩を回す。前後10回ずつ。
②ストレッチ
・首の前後、左右のストレッチ。左右が利かない人は反対の手を伸ばすと利きがよくなります。さらに利かない人は反対の腕を曲げて脇を締めると利きがよくなります。
・腕の十字ストレッチ(上腕二頭筋)、腕を上げて肘をつかみ上腕三頭筋も伸ばします。
(ポイント)特にストレッチは自分の部位との対話だと思って、今日の部位の伸びの具合を問いかけながらやりましょう。ゆっくりと呼吸をしながら1部位ごとに最低でも20秒間。
レッスン2 上半身の脱力
①ロールアップ
②ロールダウン
ロールアップとロールダウンを3回程度繰り返す。ゆったりとした呼吸を忘れずに。これはパントマイムでもやりましたけど目的が違います。パントマイムは身体をきめ細やかに使うためでしたが、今回は上半身のリラックスが目的です。どちらにしてもやって損のないレッスンです。
(ポイント)いわゆる「背骨」は首の後ろの7つの頸椎(けいつい)、肋骨の後ろの12の胸椎、さらに腰にある5つの腰椎、全部で24本の骨で構成されています。これらを一本一本意識しながら曲げ伸ばしましょう。うまくできない人はパートナーに指先で次々に骨を触ってもらいます。ゆっくりと呼吸しながら行いましょう。
レッスン3 上半身スイング~周囲に人や障害物がないか確認してやること。
①上半身スイング
②上半身ワイドスイング
これも上半身のリラックスが目的です。どうしても力が入ってしまって、初回からうまくできる人はなかなかいません。具体的な方法は鴻上尚史氏『発声と身体のレッスン』をご覧ください。
2 呼吸
レッスン1 腹式呼吸とは何か?
・人間の肺は上方が小さく、下方が大きくなっています。だから肩や胸の筋肉を動かす肩式、胸式呼吸では十分な空気を肺に取り込むことができません。肋骨もそれを妨げています。
・腹式呼吸では、腹筋に力を入れることで横隔膜を押し上げ、肺の下方向から圧迫して呼気を十分に出し切ることができます。すると反動でたくさんの空気が肺に吸い込まれてきます。このたくさんの空気が豊かな深い発声の素になるのです。
・最近は腹式にあまりこだわらなくなってきました。胸式も同時に使えばさらに多くの空気を取り込ますからね。
・骨盤底にも筋肉があり、上の横隔膜と連動していると考えられています。したがって骨盤を真っ直ぐにして、上下2つの筋肉を連動させることが大切だそうです(参考 鴻上尚史氏の『発声と身体のレッスン』)
レッスン2「横隔膜モデル」で横隔膜を意識する
①両肘を曲げ、身体の前、肋骨の下あたりで両方の指先をつける。手の甲は上。これが「横隔膜モデル」である。これを本物の横隔膜と連動して動かしてみよう。
②ゆっくり息を吐きながら、腹筋に力を入れて腹部を圧迫し、「横隔膜モデル」を押し上げてみる。実際の横隔膜も上がっているはずである。
③完全に息を吐ききったら、腹筋をすっとゆるめる。そして両手で作った「横隔膜モデル」も下げる。この繰り返し。
肺に空気を取り込むほど横隔膜が下がりました。その横隔膜の動きを意識する練習です。横隔膜が下がるとお腹や脇腹、背中が張って膨らむように感じます。これは横隔膜の下にある内臓が圧迫されるからです。骨盤が正しい位置にあると内臓が骨盤底に収まってさらに肺に空気が入ります。
レッスン3 呼吸の訓練
①呼吸の基本
②呼吸の分割
・呼気を吐き切ったら、一気に息を入れゆっくり息を吐く。3回ほど繰り返す。
・次にまたゆっくりと息を吸い、リーダーの手の合図で、一気に「はっ」と吐き切る。これを2回繰り返す。
・またゆっくりと息を吸い、今度は3回に分けて「はっはっはっ」と息を吐く。この時に息継ぎをしてはいけない。必ず1呼吸を3つに分割して息を吐く。2回繰り返す。
・またゆっくりと息を吸い、6回に分けて息を吐く。こうやって9回、12回、15回と2回ずつ繰り返していく。
(ポイント)12回、15回となると息の分割が難しくなります。息をなんとかやりくりして吐くのがポイント。台詞は読点ごとに1呼吸で言い切るのが原則です。読点は台本の意味や感情の区切でもあるので、自分の都合で勝手に息継ぎをすることで意味や感情を正確に伝えられないこともあります。これは息をコントールする演習です。これは西田先生に教えられた練習方法。
3 発声と滑舌
レッスン1 発声の準備
①ハミングレッスン
②S音レッスン
③Z音レッスンで丹田を知る
④声帯のストレッチ
これも詳細は鴻上尚史氏の『表現力のレッスン』をご覧ください。発声前のウォーミングアップとして最適です。S音レッスンはみんなで長さを競いました。第1回チャンピオンは林君です。
最後に声を出して本日のワークショップを終わりました。
後半は『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』の稽古をしました。見学の男子高校生が代役をしてくれました。
次回は作業があるためワークショップは中止します。
↓ 参考 『表現力のレッスン』鴻上尚史
↓ 参考 『発声と身体のレッスン』鴻上尚史
今日は男子高校生が見学に来てくれました。最近、見学の人や遊びに来てくれる人が続いて楽しいですね。劇団員もテンションが違います。
第9回ワークショップ
1 ニュートラルな身体をつくる(呼吸と発声の準備)
ニュートラルな身体とは?
・私たちが知らず知らず身につけてきたクセを取り除いた人間本来の自然な身体
・必要な部位以外の力が抜けてリラックスした身体
・どのようにも動くことができる自由な身体
・呼吸や発声を妨げない身体
レッスン1 首と肩の体操とストレッチ
①体 操
・首を左右3回ずつ回す(首の重さは体重の約10㌫。力を入れ ず首の重みで回す)
・指先を肩に当てて肩を回す。前後10回ずつ。
②ストレッチ
・首の前後、左右のストレッチ。左右が利かない人は反対の手を伸ばすと利きがよくなります。さらに利かない人は反対の腕を曲げて脇を締めると利きがよくなります。
・腕の十字ストレッチ(上腕二頭筋)、腕を上げて肘をつかみ上腕三頭筋も伸ばします。
(ポイント)特にストレッチは自分の部位との対話だと思って、今日の部位の伸びの具合を問いかけながらやりましょう。ゆっくりと呼吸をしながら1部位ごとに最低でも20秒間。
レッスン2 上半身の脱力
①ロールアップ
②ロールダウン
ロールアップとロールダウンを3回程度繰り返す。ゆったりとした呼吸を忘れずに。これはパントマイムでもやりましたけど目的が違います。パントマイムは身体をきめ細やかに使うためでしたが、今回は上半身のリラックスが目的です。どちらにしてもやって損のないレッスンです。
(ポイント)いわゆる「背骨」は首の後ろの7つの頸椎(けいつい)、肋骨の後ろの12の胸椎、さらに腰にある5つの腰椎、全部で24本の骨で構成されています。これらを一本一本意識しながら曲げ伸ばしましょう。うまくできない人はパートナーに指先で次々に骨を触ってもらいます。ゆっくりと呼吸しながら行いましょう。
レッスン3 上半身スイング~周囲に人や障害物がないか確認してやること。
①上半身スイング
②上半身ワイドスイング
これも上半身のリラックスが目的です。どうしても力が入ってしまって、初回からうまくできる人はなかなかいません。具体的な方法は鴻上尚史氏『発声と身体のレッスン』をご覧ください。
2 呼吸
レッスン1 腹式呼吸とは何か?
・人間の肺は上方が小さく、下方が大きくなっています。だから肩や胸の筋肉を動かす肩式、胸式呼吸では十分な空気を肺に取り込むことができません。肋骨もそれを妨げています。
・腹式呼吸では、腹筋に力を入れることで横隔膜を押し上げ、肺の下方向から圧迫して呼気を十分に出し切ることができます。すると反動でたくさんの空気が肺に吸い込まれてきます。このたくさんの空気が豊かな深い発声の素になるのです。
・最近は腹式にあまりこだわらなくなってきました。胸式も同時に使えばさらに多くの空気を取り込ますからね。
・骨盤底にも筋肉があり、上の横隔膜と連動していると考えられています。したがって骨盤を真っ直ぐにして、上下2つの筋肉を連動させることが大切だそうです(参考 鴻上尚史氏の『発声と身体のレッスン』)
レッスン2「横隔膜モデル」で横隔膜を意識する
①両肘を曲げ、身体の前、肋骨の下あたりで両方の指先をつける。手の甲は上。これが「横隔膜モデル」である。これを本物の横隔膜と連動して動かしてみよう。
②ゆっくり息を吐きながら、腹筋に力を入れて腹部を圧迫し、「横隔膜モデル」を押し上げてみる。実際の横隔膜も上がっているはずである。
③完全に息を吐ききったら、腹筋をすっとゆるめる。そして両手で作った「横隔膜モデル」も下げる。この繰り返し。
肺に空気を取り込むほど横隔膜が下がりました。その横隔膜の動きを意識する練習です。横隔膜が下がるとお腹や脇腹、背中が張って膨らむように感じます。これは横隔膜の下にある内臓が圧迫されるからです。骨盤が正しい位置にあると内臓が骨盤底に収まってさらに肺に空気が入ります。
レッスン3 呼吸の訓練
①呼吸の基本
②呼吸の分割
・呼気を吐き切ったら、一気に息を入れゆっくり息を吐く。3回ほど繰り返す。
・次にまたゆっくりと息を吸い、リーダーの手の合図で、一気に「はっ」と吐き切る。これを2回繰り返す。
・またゆっくりと息を吸い、今度は3回に分けて「はっはっはっ」と息を吐く。この時に息継ぎをしてはいけない。必ず1呼吸を3つに分割して息を吐く。2回繰り返す。
・またゆっくりと息を吸い、6回に分けて息を吐く。こうやって9回、12回、15回と2回ずつ繰り返していく。
(ポイント)12回、15回となると息の分割が難しくなります。息をなんとかやりくりして吐くのがポイント。台詞は読点ごとに1呼吸で言い切るのが原則です。読点は台本の意味や感情の区切でもあるので、自分の都合で勝手に息継ぎをすることで意味や感情を正確に伝えられないこともあります。これは息をコントールする演習です。これは西田先生に教えられた練習方法。
3 発声と滑舌
レッスン1 発声の準備
①ハミングレッスン
②S音レッスン
③Z音レッスンで丹田を知る
④声帯のストレッチ
これも詳細は鴻上尚史氏の『表現力のレッスン』をご覧ください。発声前のウォーミングアップとして最適です。S音レッスンはみんなで長さを競いました。第1回チャンピオンは林君です。
最後に声を出して本日のワークショップを終わりました。
後半は『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』の稽古をしました。見学の男子高校生が代役をしてくれました。
次回は作業があるためワークショップは中止します。
↓ 参考 『表現力のレッスン』鴻上尚史
↓ 参考 『発声と身体のレッスン』鴻上尚史
発声と身体のレッスン 増補新版 ─ 魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために
- 作者: 鴻上 尚史
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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