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10月30日(金)の稽古です。 [稽古内容]

10月30日(金)の稽古です。

この日は前回も来てくださった手話通訳の方が続けて見学に来てくれました。それと『やまんば おゆき』の仲間てるこさんが遊びに来てくれました。

第8回ワークショップ

 この日はパントマイムのテクニックについて紹介しました。

1 ニュートラルなリラックスした身体作り

 癖のない(ニュートラルな)身体を作ること、リラックスした身体を作ること。これはパントマイムの基本です。そのためのレッスンをいくつか紹介しました。

 レッスン1 ハッピーフェイスとエアフック

 豊かな表情はパントマイムには欠かせない要素です。癖がなく自由に動く顔を作るレッスンです(ただし、マスク・フェイスシールド着用だったので今回はやりませんでした)

 ①顔の体操 口を大きく開く・唇をすぼめて突き出す、鼻の下を伸ばす・狭める、目を大きく開く・細める、小鼻を膨らます、眉を上げる・下げる、眉の間を開く・閉じる、頬の上げる・下げるなど、顔の様々な筋肉を使う。
 ②顔ジャンケン
 グー →顔のすべてのパーツを中央に集めるイメージ
 パー →顔のすべてのパーツを外に広げるイメージ
 チョキ → 顔の上半分を右斜め上方に引っ張り上げ、下半分を左斜め下方に引っ張られるイメージ
 顔ジャンケンのトーナメント戦。チャンピオンを決めましょう。
 ③ハッピーフェイス 口角を上げた美しい笑顔を作ります。
 3歳くらいの子どもに見せて笑顔を返してくれるような顔を作れとよく言われます。自然な笑顔がニュートラルな顔になるといいですね。

 身体の癖を取るレッスンです。

 ④エアフック 空中にフックがあることをイメージして、そのフックに首の後ろを引っかけるようにイメージします。身体をしっかり伸ばし、足裏は床に着けます。ニュートラルに美しい立ち姿をイメージします。
 ⑤骨盤の位置を整える 前回もやりましたが、骨盤の位置に癖がある人がかなりいます。普段の骨盤の位置を確認し、正しい位置に直しましょう。でも無理は禁物。まずは骨盤を前後、左右、回転と動かして自由に動くようにします。

  レッスン2 アイソレーション(独立運動)

 身体の一部を他の部分から独立させて動かす(止める)ことはパントマイムのテクニックでは欠かせません。
 ここでは首、拳、腕を独立させて動かす(止める)練習をしました。
 まとめとして2人一組で「彫刻」を作るゲームをやりました。立っているパートナーの身体の部分を動かして彫刻作品を作るゲームです。最後に彫刻ごとのテーマを発表してもらいます。彫刻になる側はけして逆らわないこと、しゃべらないことがルールです。彫刻を作る側の人はけして関節を逆に曲げないこと、余計なところに触らないことがルールです(笑)

 レッスン3 インクリネーションとローテーション(分解運動)
 
 身体を細かく滑らかに動かすこともパントマイムでは必要になります。「インクリネーション」は「傾斜・傾き」の意味で身体を前後、左右に傾ける練習です。「ローテーション」は「回転」という意味で、完全に傾けた身体を元に戻すことです。
①(インクリネーション)頭↓首↓背骨の順でゆっくりと身体を前傾します。首から背骨にかけては骨の1つひとつを数えるように意識します。最後は腰から上を前に倒して上半身を脱力します。
 ②(ローテーション)①の状態からゆっくりと起き上がります。骨を1つひとつ積み上げることを意識します。最後に頭を首の上に載せて終わります。    
 ③前後がスムーズにできるようになったら左右も試してみましょう。インクリネーションの最後は傾けた方の膝を曲げます。
 ④後ろにも傾けてみましょう。無理して転ばないように注意してください。

 身体をなるべく細かく動かすことを意識しましょう。上半身のリラックスは声を出すためにも必要です。

2 イリュージョン(パントマイムテクニック)

 レッスン1 固定点

 身体の一部を空中に固定するレッスンです。ポイントは固定した部分のテンション(緊張)、それ以外の部分のリラックス(弛緩)です。この差がはっきりしているとお客さんに実際にはないものが見えてきます。

 ①コップ 何度かやっていますが、コップを持って中に注いだ飲み物を飲むレッスンです。コップを持つ前には指先も手もリラックス、持った時にはテンションです。指や手以外の部分はリラックスです。ただし、コップが重い場合には手首、二の腕まで緊張させます。コップから手を放す時にもテンションからリラックスへの変化をはっきり見せます。飲み物を飲んでコップが軽くなると緊張する部位も変化します。
 ②棒 立てた棒をつかんでいるように見せるイリュージョンです。棒を掴んだ拳を緊張させて固定させ、それ以外の部分をリラックスさせて動いてみます。棒を地中に押し込んだり、抜いたりしてみます。
 ③手すり 二の腕を横にして固定し手すりを作ります。どういう場所の手すりなのか状況をイメージしてください。
 ④ドア これも何度かやっています。ノブを握って固定します。
 ⑤壁 壁に掌を置く前のリラックスから置いた時のテンションへの変化が大切です。掌を離す時にはテンションからリラックスです。両手を一度に動かすと壁が消えてしまうので必ず片方ずつ動かします。
 初心者の人はどうしても両手の間が狭くなってしまうので、なるべく広くするように心がけましょう。
 壁に触りながら上下左右に動いてみます。コツとしては動く方向と逆側に掌を動かすと止まっているように見えます。
 慣れてきたら壁を押したり叩いたりしてみます。押す時には胸を前に出しましょう。手だけでなく体幹が動くと本当らしく見えます。顔の表情も大切です。叩く時には足裏で床を叩いて音を出します。
 テクニックだけを見せる場合には掌を大きく開き、指先まで緊張させますが、リアルに見せるには手掌だけに力を入れ指は少し曲げてリラックスさせます。
 壁の材質(煉瓦・土・木・ガラス・アクリル板など)やどうして壁が邪魔なのか、向こうに何かあるのかなど状況を意識すると作品になります。
 最後はそれぞれ壁を壊して突破してもらいました。
 
 レッスン2 重心移動

 重心移動もパントマイムのテクニックには欠かせません。重心を移動させる場合、重心をごまかす場合があります。特に重心をごまかす場合には曲げて体重がかかっていないように見せるのでかなりきついです。

 ①左右 片足を爪先立ちにします。もう片方は足裏を床につけたままです。この時に身体(上体)も自然に斜めになります。次に床につけた足も爪先立ちにします。身体は直立します。最初に爪先立ちした足を床につけます。この時も身体が自然に斜めになるようにします。最後に爪先立ちしている足を床につけます。これを滑らかな一連の動きとして繰り返します。逆もやってみます。
 ②ロープ ロープを両手に持ちます。右利きの人は右側からロープを引くようにイメージします。両手でロープを引く時に腰を右に動かして重心を移動します。ロープを持ちかえる動作に合わせて腰を左に移動して重心を元に戻します。
 スムーズにできるようになったら、引く瞬間に両腕に力を入れます。この緊張によって引き始めが観客にはっきり伝わります。
 重くてなかなか引けなかったり、逆に引かれたりしてみます。引かれる時には右足の爪先と踵を踏み換えてスライドさせます。
 ③マイムウォーク これも前回紹介しました。練習してもらいました。膝を曲げた方に体重がかかるのでかなりきついです。5分間を目標に散歩ができるといいですね。

 今回、紹介したのはパントマイムのテクニックなので、実際にお芝居の中で使えないかもしれません。ただ、身体の使い方や見せ方には共通するところもあると思います。
 無対象演技、パントマイムはここまでにして、次回はまた声と発声に関するワークショップをやります。初回は「呼吸と発声」てす。
 
 この日は『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』の稽古は中止しました。
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