12月11日(金)の稽古です [稽古内容]
12月11日(金)の稽古です。
稽古場の四街道公民館に前に立つと自動で測れる体温計が入りました。画面の枠に自分の顔をはめる位置に立つと自動で体温を測定してくれます。これまでは係の人がハンディタイプの体温計で測ってくれていたのですが、歩きや自転車で来ると顔が冷えているのか測定不能でした。首筋で何度か測定しても34度とか、あり得ない数値が出ます。寒くなるにしたがって測定不能の回数も増えていました。
アルコール消毒も足で踏むタイプになり、どんどん設備はよくなりますけど、そんな設備がなくても利用できるように早くなってほしいものです。
今回も冒頭にダンスをしました。私として時間もないし1回で済ませようと思ったのですが、皆さん踊り足りないということでもう1回やりました。マスクをして踊るのは苦しいけれど、やはり身体を動かすのは楽しいですね。
第10回ワークショップ セリフのためのレッスン(前半)
1 台詞とは何か
西田先生は次のように説明してくださいました。
◎思考、感情、意志の伝達(表現)の手段
①正確に発声する。→正確に音を出す。正確に口を開ける。
②音量のコントロール →相手の音の高さに合わせて話す。
③共鳴音 →からだを開いて口を大きく開ける。遠くまで声を響かせる。
①は主に滑舌(アーティキュレーション)の問題です。これまでは触れて来ませんでした。後半で少し触れます。
②もあまり触れて来ませんでした。自分だけの独善的な芝居にならないためにも、相手の台詞をよく聞くことが重要です。いかに相手に台詞を渡すか、いかに相手の台詞を受け取るか、これがスムーズに出来てはじめて、相手の台詞を否定する芝居もできるのだと思います。これも後半で少し触れます。
③これについては前回丁寧にやったつもりです。単に大きな声ではなく、よく響く声を出すにはどうするか、ということです。
2 台詞のレッスン
レッスン1 ことば~言葉を立てる(→資料20「ことば」)
例 合田が上田と結婚するんだって(下線なし)
合田が上田と結婚するんだって(「合田」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「上田」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「結婚」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「結婚するんだって」に下線)
①台詞の下線部を「強調」して(立てて)言います。
②ただ機械的に「強調」するのではなく、なぜそこを「強調」しているのか、4W(いつ・どこで・だれが・なにを)を設定して台詞を言ってみます。
ワークショップの最初にやったレッスンです。このレッスンは何度やってもいいと思っています。西田先生も繰り返しやってくださいました。
①について
何も説明さずにやると大抵の人は下線部を語気を強めたり大きい声で言います。もちろんそのやり方もありますが、前にやった「声の5要素」を使うと、わざと語気を弱めたり、ささやき声(ウイスパー)で言ったり、間を取ったり詰めたり、ゆっくり言ったり早口で言ったり、または声色を使ったりと色々な強調方法があります。それらを駆使して試してみることも表現の幅を広げるためには必要です。
②について
置かれた状況と発話者の意図・心情によってどこをどう強調するかが決まってきます。強調部から逆に状況や意図を想像するのも大事な練習だと思います。ただし今回は省略しました。
レッスン2 感情表現トレーニング~状況をイメージする
(→資料8「感情表現トレーニングⅡ」)
例 (思い直して)(男)ほんとうに怒るぜ! でも、まあいいや……お互いさまだから……。
(女)ほんとうに怒るわよ! でも、まあいいわ ……お互いさまだから……。
①( )内の感情を台詞にのせて台詞を言ってみる。
②どういう状況で言われた台詞なのか4Wを設定して言ってみる。
これも2度目になります。何度でもしつこく繰り返したいと思います。
①について
役者が性別で二種類の台詞が用意されています。「感情表現トレーニングⅠ」はもう少し単純な感情だったと思いますが、Ⅱの法は(案外軽く)(急に鋭く)(思い出すように)など「これ感情?」というような難しい指定が並んでいます。例の場合は「でも」から「思い直」すのだと思いますけど、形だけだとなかなか難しい。自分ではやっているつもりでも聞いている人にうまく伝わりません。
②ついて
そこで誰が誰に対して(「だれが」)どういうこと(「なにを」)を怒っていて、なぜ思い直したかを想像してみます。レッスン1では省略しましたが、ここではそれぞれの台詞の担当者を決めて、時間をとって状況を想像してから発表してもらいました。
この台詞については妻が夫の浮気を怒っているのだそうです。何度も同じことを繰り返している夫に対して「ほんとうに怒るわよ!」と言いながら、「お互いさまだから」と自分も浮気していることを匂わせて夫を不安にさせようとしているんだそうです。面白いですね。妻の方が一枚上手。そう考えると「ほんとうに」という大袈裟な言い方にも作為が感じられますね。ここから広げていくと一篇の脚本や小説ができそうです。
本来は台本にはこういった状況はある程度説明されていて、役者はそれを読み取って台詞を言います。しかし、状況はともかく人物の心情や意図のほとんどは自分で推量するか演出家の指示に従うかしかありません。もちろん最終的には演出家の指示の通りに演じるのが役者の仕事ではありますが、どういう状況からどんな意図を持ってどんな心情で演じているのかを自覚して演じるのとそうでないのとでは雲泥の差があると思います。自立した役者、創造的な演技者になるためには必要なレッスンだと思います。
それにしても、担当者の想像のほとんどが浮気をしている夫という設定なのには驚きました。男と女の普遍的なテーマなのでしょうね。
次回は今年最後の稽古です。第10回の後半をやります。
稽古後半は『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』の稽古をやりました。
この公演は5月8日(土)に四街道公民館ホールで上演することになりました。ただし、会場の都合で変更になるかもしれません。コロナの中で何か1つやろうという意地のような公演です。よろしければ観てやってください。
この本は映画『俺たちは天使じゃない』を下敷きにしています。有名な『カサブランカ』のマイケル・カーチス監督の映画です。主演も同じハンフリー・ボガート。ロバート・デ・ニーロ主演でリメイクされているので、そちらを御存知の方も多いようです。脚本自体は映画の一部を借りているだけですけど、映画を御存知の方はぜひ観たいと言ってくださいます。よろしければ映画もご覧ください。
↓ 映画『俺たちは天使じゃない』(DVD)ハンフリー・ボガート版。
↓『俺たちは天使じゃない』(DVD)ロバート・デ・ニーロ版。
稽古場の四街道公民館に前に立つと自動で測れる体温計が入りました。画面の枠に自分の顔をはめる位置に立つと自動で体温を測定してくれます。これまでは係の人がハンディタイプの体温計で測ってくれていたのですが、歩きや自転車で来ると顔が冷えているのか測定不能でした。首筋で何度か測定しても34度とか、あり得ない数値が出ます。寒くなるにしたがって測定不能の回数も増えていました。
アルコール消毒も足で踏むタイプになり、どんどん設備はよくなりますけど、そんな設備がなくても利用できるように早くなってほしいものです。
今回も冒頭にダンスをしました。私として時間もないし1回で済ませようと思ったのですが、皆さん踊り足りないということでもう1回やりました。マスクをして踊るのは苦しいけれど、やはり身体を動かすのは楽しいですね。
第10回ワークショップ セリフのためのレッスン(前半)
1 台詞とは何か
西田先生は次のように説明してくださいました。
◎思考、感情、意志の伝達(表現)の手段
①正確に発声する。→正確に音を出す。正確に口を開ける。
②音量のコントロール →相手の音の高さに合わせて話す。
③共鳴音 →からだを開いて口を大きく開ける。遠くまで声を響かせる。
①は主に滑舌(アーティキュレーション)の問題です。これまでは触れて来ませんでした。後半で少し触れます。
②もあまり触れて来ませんでした。自分だけの独善的な芝居にならないためにも、相手の台詞をよく聞くことが重要です。いかに相手に台詞を渡すか、いかに相手の台詞を受け取るか、これがスムーズに出来てはじめて、相手の台詞を否定する芝居もできるのだと思います。これも後半で少し触れます。
③これについては前回丁寧にやったつもりです。単に大きな声ではなく、よく響く声を出すにはどうするか、ということです。
2 台詞のレッスン
レッスン1 ことば~言葉を立てる(→資料20「ことば」)
例 合田が上田と結婚するんだって(下線なし)
合田が上田と結婚するんだって(「合田」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「上田」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「結婚」に下線)
合田が上田と結婚するんだって(「結婚するんだって」に下線)
①台詞の下線部を「強調」して(立てて)言います。
②ただ機械的に「強調」するのではなく、なぜそこを「強調」しているのか、4W(いつ・どこで・だれが・なにを)を設定して台詞を言ってみます。
ワークショップの最初にやったレッスンです。このレッスンは何度やってもいいと思っています。西田先生も繰り返しやってくださいました。
①について
何も説明さずにやると大抵の人は下線部を語気を強めたり大きい声で言います。もちろんそのやり方もありますが、前にやった「声の5要素」を使うと、わざと語気を弱めたり、ささやき声(ウイスパー)で言ったり、間を取ったり詰めたり、ゆっくり言ったり早口で言ったり、または声色を使ったりと色々な強調方法があります。それらを駆使して試してみることも表現の幅を広げるためには必要です。
②について
置かれた状況と発話者の意図・心情によってどこをどう強調するかが決まってきます。強調部から逆に状況や意図を想像するのも大事な練習だと思います。ただし今回は省略しました。
レッスン2 感情表現トレーニング~状況をイメージする
(→資料8「感情表現トレーニングⅡ」)
例 (思い直して)(男)ほんとうに怒るぜ! でも、まあいいや……お互いさまだから……。
(女)ほんとうに怒るわよ! でも、まあいいわ ……お互いさまだから……。
①( )内の感情を台詞にのせて台詞を言ってみる。
②どういう状況で言われた台詞なのか4Wを設定して言ってみる。
これも2度目になります。何度でもしつこく繰り返したいと思います。
①について
役者が性別で二種類の台詞が用意されています。「感情表現トレーニングⅠ」はもう少し単純な感情だったと思いますが、Ⅱの法は(案外軽く)(急に鋭く)(思い出すように)など「これ感情?」というような難しい指定が並んでいます。例の場合は「でも」から「思い直」すのだと思いますけど、形だけだとなかなか難しい。自分ではやっているつもりでも聞いている人にうまく伝わりません。
②ついて
そこで誰が誰に対して(「だれが」)どういうこと(「なにを」)を怒っていて、なぜ思い直したかを想像してみます。レッスン1では省略しましたが、ここではそれぞれの台詞の担当者を決めて、時間をとって状況を想像してから発表してもらいました。
この台詞については妻が夫の浮気を怒っているのだそうです。何度も同じことを繰り返している夫に対して「ほんとうに怒るわよ!」と言いながら、「お互いさまだから」と自分も浮気していることを匂わせて夫を不安にさせようとしているんだそうです。面白いですね。妻の方が一枚上手。そう考えると「ほんとうに」という大袈裟な言い方にも作為が感じられますね。ここから広げていくと一篇の脚本や小説ができそうです。
本来は台本にはこういった状況はある程度説明されていて、役者はそれを読み取って台詞を言います。しかし、状況はともかく人物の心情や意図のほとんどは自分で推量するか演出家の指示に従うかしかありません。もちろん最終的には演出家の指示の通りに演じるのが役者の仕事ではありますが、どういう状況からどんな意図を持ってどんな心情で演じているのかを自覚して演じるのとそうでないのとでは雲泥の差があると思います。自立した役者、創造的な演技者になるためには必要なレッスンだと思います。
それにしても、担当者の想像のほとんどが浮気をしている夫という設定なのには驚きました。男と女の普遍的なテーマなのでしょうね。
次回は今年最後の稽古です。第10回の後半をやります。
稽古後半は『俺らってやっぱ天使じゃねえ?』の稽古をやりました。
この公演は5月8日(土)に四街道公民館ホールで上演することになりました。ただし、会場の都合で変更になるかもしれません。コロナの中で何か1つやろうという意地のような公演です。よろしければ観てやってください。
この本は映画『俺たちは天使じゃない』を下敷きにしています。有名な『カサブランカ』のマイケル・カーチス監督の映画です。主演も同じハンフリー・ボガート。ロバート・デ・ニーロ主演でリメイクされているので、そちらを御存知の方も多いようです。脚本自体は映画の一部を借りているだけですけど、映画を御存知の方はぜひ観たいと言ってくださいます。よろしければ映画もご覧ください。
↓ 映画『俺たちは天使じゃない』(DVD)ハンフリー・ボガート版。
↓『俺たちは天使じゃない』(DVD)ロバート・デ・ニーロ版。
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